swing,singである。
100年ぶりにブログを更新したと思ったら、アイマスではない。
もちろんこの空白の100年の間にも、寒さと感動で人生で一番泣いたシンデレラ10thファイナルや、現地最前列ど真ん中を引きセトリも今思い出すだけで笑みが浮かぶシャニマスSETSUNA BEATなど、この先の人生の辛いときに、ふと力をくれる心のよすがになるような大切なライブが目白押しだったのだが、これらは余りにも感情になりすぎて感想どころではなかったし、正気に戻った頃にはまあ1週間くらい経ってたんでシンプルに面倒になって書かなかった。
加えて、ここ数年は同時に配信中継があるのがデフォルトになってきたので、こちらで記憶を書き留めておくこともなく、すぐに正解が観れてしまうようになったのも書かなくなった要因であるように思う。
老害には、円盤が出るまでの間にかすかに残った記憶を頼りにああだったこうだったと、時には幻覚を交えながら語るような、生ものの粋というものが薄れてしまうような寂しい気持ちが一瞬頭を掠めないではなかったが、本当にいい世の中になったなぁ。
その点、今回は配信もなかったので、すでにかなり曖昧な記憶の整理と忘備を兼ねて書いていく。
閑話休題、swing,singとは、簡単に言うと声優さんが生演奏でジャズボーカルをやるプロジェクトである。
僕はジャズに対して明るいわけでは全くないが、なんとなくかっこいいから触れてみたいぞ、という気持ちは前々からあり、そこにたまたまオタクも入りやすそうなswing,singちゃんが通りがかったので、薄っぺらく乗っかったわけなのである。
匿名掲示板で匿名説教マンから「こういうやつって〇〇が好きなんじゃなくて、〇〇が好きな自分が好きなんだよな」的なしゃらくせぇことを言われる乗り方。うるせェ~~仮にそうだとして何が悪いか。(想像上の敵に怒り心頭)
言い忘れたがネタバレはするし、以降、声優さんの敬称を略することと楽器の知識がゼロなので、ホーンセクションのことを基本、全て「ラッパ」と称することを予めご了承頂きたい。おそらく限りなく侮辱に近い表現であると思うが、マジでわからないのだ。面目次第もない。まあ今回そのホーンセクションがいない編成なので、そう頻発はしない。
誰も読まないと思って書いてはいるが、一応言い訳をせずにはいられないのである。
基本的には入場してからの流れを少しと、披露された曲毎の感想を書いていくことにする。
会場に着くとすでにまあまあの人数が並んでいたので最後尾につくと、ほどなくして列が流れ、入場と同時にドリンクチケットを購入した。
ドリンクを交換して席に着くと、目の前にはケーキが用意されていた。ケーキが食えるライブはさすがに初めてなのでちょっとテンションが上がる。
席は円卓であり、一卓に7,8人が座っていただろうか。円卓なので必然、ステージに背を向ける席も存在しており、そういう人は椅子ごと前を向いていい旨が予め説明された。
開演前の影ナレでは恐らく主人公であるところの八乙女菫役の二ノ宮ゆいさんが台詞を二度ほど噛んで非常に可愛らしかったのが印象深い。
会場が暗くなり(と言っても、周りが見えなくなるほど暗くはならない)、司会の方がバンドのメンバーを招き入れると、すぐに演奏が始まり、後ろの階段から一人ずつ声優さんが入場してくるという流れだった。
以下曲ごとの感想で、中黒のあとは曲名、ついでの括弧内は歌手の苗字を記す。
・Harmony(二ノ宮、廣瀬、田口)
コンテンツのテーマソング。(多分)
原曲は5人編成で歌っており、加えてホーンセクションのいないバージョン。
僕のごときド素人が感じる所謂「ジャズ感」というのはラッパとピアノに頼る部分が多いことが手伝って、音源で聴く同曲と全く趣が異なり、「こういうのもジャズなのか」と興味深く聴くことができた。これはこれから流れる全曲に対する感想でもある。
・夢の中へ(二ノ宮)
長くアイドルコンテンツに触れてきたコテコテのオタクには、主人公のソロ曲にしてはあまりにメロウな曲。
でも、座りながらじっくりと聴くスタイルにマッチした曲調と、安心感のある重めの歌声、楽器を聴くために長めに取られた間奏が非常に心地よかった。
・Fly Me To The Moon(二ノ宮)
オタク認知度の高いジャズという分野で言えば、右はおろか全方向に並ぶものなしであろう名曲のカバー。
アイラブユーの時に確かに僕と目が合ったと思うけど、多分これは僕以外の全員も思っているな。
・アロマ(廣瀬)
この曲のためにドリンクはコーヒーにした。
歌詞からして曲中のコーヒーはホットだと思うんだけど、アイスしかなかったし砂糖も入れない派なのでシンクロはいまいちだが、オタクときたらその辺は勇気で補えるのである。
この曲も、音源はピアノとラッパが目立つ曲なので、ないとだいぶ印象が変わる。
情景が浮かんでくるような暖かな可愛らしい曲で、甘めな声も手伝って非常に癒された。
・What a Wonderful World(廣瀬)
これもまた僕のようなもんでも知っている(何故かというと12モンキーズのエンディングで聴いたから)大名曲のカバーである。
ありとあらゆる美しい光景を歌い、繰り返される「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」というフレーズと、優しい歌声がマッチして、もしかして、世界はすばらしいのか・・・・・・?という気持ちになった。
・Sweet Butter(田口)
冒頭から跳ねるようなピアノと抜けるようなボーカルに合わせてクラップをする一体感を味わえるゴキゲンな曲である。
曲間に楽器チームのソロが長めにとられており、リズムに合わせたクラップや各楽器のソロ後の拍手が「ジャズではこういうことするって聞いたことあるやつだ!」と、進研ゼミの気分になって非常に楽しかった。
・Lullaby Of Birdland(田口)
こちらも名曲カバーシリーズらしいのだが、寡聞にして存じ上げない曲だった。
スキャットの格好良い曲で、帰宅してのちさっそく原曲も聴いてしまった。
全員のソロが終わったのちにMCのコーナーがあり、いつか作品の舞台である軽井沢でライブをしてみたいこと、カバーアルバムを出してみたいこと、ジャズについて、披露した曲についてなどのことが話された。
以下、音源のない新曲なので、輪をかけて記憶が朧気。
・旅人(二ノ宮、廣瀬)
この2人だと、こういったかっこいい曲になるのだなぁと驚いた。
・まどろみ(二ノ宮、田口)
音源が出たら、休日の朝のアラームにして2度寝3度寝を楽しみたい。
2人の歌声が輪唱のように追いかけあってからのハモリが非常に美しかった。
・君のメロディ(二ノ宮、廣瀬、田口)
3人の新曲。
君の〇〇というタイトルは、いつも「俺の……?」という小ボケを脳内で挟んでしまう。
シンプルに3人が順繰りに歌うのではなく、このパートはこの2人で、というような構成になっていたのが面白い。
まだ人物の関係性も歌詞もよくわからない状態なので、そこらへんが詳しくわかってから聴き直すとまた味わい深いのかもしれない。
曲前に挨拶をすませ、曲がおわるとそのまま退場していくスタイルで幕を閉じた。
とても楽しかったし、全員歌が驚くほどうまかったし、生バンドはやはりとてもよかったし、ジャズというものの入り口のドアを叩くくらいまではいけたのではないかという気持ちにはなれたし、ゆったりした雰囲気が好みだったので、また近場で興行をうつようなら行ってみたいなぁとおもいました。日記。